【令和一号】NTT退職エントリーを書いてみた

 

はじめに

多分令和一号目のNTT退職エントリーを書きました。
平成最後のNTT退職エントリは↓っぽいですね。
 
この記事の内容は、あくまで個人の一経験に基づいた主観性の高い内容です。
 

この記事を書いているモチベーション

  • 「転職」という人生の大きなターニングポイントにおける自分の考えや気持ちを文章としてまとめておきたかったから。
  • 採用のミスマッチがなくなってほしいから。入社後すぐの退職は個人にも会社にも大きな損失だと思います。この記事が少しでも参考になれば幸いです。

 

自己紹介

情報系院卒で社会人五年目です。

新卒でNTTに入社し、主にプライベートクラウドやサーバー仮想化関連のプロジェクトに従事しました。

 

一応、Twitterやっています。

twitter.com

 

Qiitaもやっています。LGTMを稼ぎまくっています。

qiita.com

 

また、Webアプリ(現在サービス休止中)を作って少しバズりました。

gigazine.net

 

NTTのどこで働いていたの?

NTTグループは数百社あり、どこの会社かというのはグループ内ヒエラルキー的にも重要です。少しぼかして書きますと、巷では「米屋」と呼ばれている会社です。自称NTTグループ主要8社の1つです。主にNTTグループ向けのシステム開発をしています。いわゆるSIerですね。

 

入社した理由

  • 上流工程も下流工程も経験できると伺っていて、幅広く成長できそうだと感じたからです。若手だったからということもありましたが、ほぼその通りでした。
  • NTTグループは研究所がトップにあるため、「技術」を重視している組織だと思ったからです。これは、期待外れでした。
  • たとえ自分のスキルが伸びなかったとしても、まったりとそこそこの給料はもらえ続けられそうだったからです。つまり、自分に自信がなかったです。

 

前職の良かったところ

①休暇がとても多い

この会社ほど休みが多い会社はないのではないでしょうか。土日祝日、年末年始はもちろん、有休が年間20日と夏季休暇5日、創立記念日の半日休が毎年支給されます。

プロジェクトによると思いますが、特にお客様もNTTグループの会社の場合、休暇形式が似たような感じのため、長期の休暇も取得しやすいです。消化率は非常に高いと思います。

②福利厚生が充実している

新築マンションに格安(18000円)で住めたり、財形などの税的優遇措置が充実していました。 額面以上の収入が得られます。

③業績が安定している

同業他社が大規模リストラをかけている中、NTTグループではそういった事態になっていないですし、近日中にそうなりそうもないです。

これだけの規模で、雇用を維持し続けるほどの業績を出し続けているのは、すごいことだと思います。

スキルアップできる(運要素多め)

配属ガチャに当たっただけかもですが、システム開発の初心者であった自分にとっては、成長しやすい機会に恵まれました。

正直に申し上げると、入社時点での私の技術力はすごく低かったです。学生時代に研究(自然言語処理機械学習系)や授業で多少のプログラミング経験はありましたが、システム開発に関しては一切の素人でした。例えば、Linuxまともに触れない・パケットキャプチャ取れない・ソースコードのバージョン管理したことない、というロースキルぶりでした。そんな私がまがりなりにもシステム開発をできるようになれたのは、先輩社員の方々の厳しくも粘り強い教えがあったからです。(軽く病みそうにはなりましたがw)

幸運なことに優秀なメンバと仕事する機会が多くあり、技術だけでなく、仕事のやり方や考え方も参考にできる機会がたくさんありました。やる気さえあれば技術力が低くても成長しやすい環境に私は恵まれました。

逆に技術系が苦手な人やそもそもシステム開発をやりたくない人(ではなぜSIer入った?)はすぐに営業系やバックオフィス系にいきました。

 

退職理由

①「自分がやりたいこと」と「この会社でできること」のミスマッチ

新卒の就活時期には具体的に無かった「やりたいこと」が最近自分の中で形になってきました。そして、それがこの会社やグループでは難しいことが分かったので、転職することにしました。

②本質に集中できない

以下にあげるように、ビジネス的に本質でないことに時間を割かれることにフラストレーションが溜まっていきました。給料もらっているんだから我慢して当たり前だろう、という考えもあるのかもしれませんが、私には耐えられなかったです。

セキュリティ

他の方の退職エントリでも触れられていますが、システム開発がしづらいセキュリティ環境でした。

1つ1つは工夫なり設定なりでクリアできるものもありますが、調べる時間がかかったり、頭の中の貴重なメモリを常に少し無駄に消費しながら仕事をしているような感覚でした。また、社内のセキュリティの目をかいくぐるような、外では役に立たないようなノウハウだけが溜まっていき、モチベーションが保ちづらかったです。

セキュリティが大事なのは同意しますが、システム開発の現場をもっと考慮してほしいです。そもそも、セキュリティ施策を進めている人たちにまともなシステム開発の経験がないため、開発効率度外視なルールを強制してきます。それなりの経緯や理由はあったのだとは思いますが。。。

社内システム

社内システムがとても使いづらいです。社内システムを使いこなせるベテラン社員が重宝されるくらいです。社内システムを使いこなせるようになるために、相当な労力と時間を必要とします。

曲がりなりにもシステム開発を生業としているにも関わらず、自分たちが普段使うシステムがこんなにも使いにくくてどうするの、という気持ちでした。素直にSaaS導入した方が効率的だなと思いました。

Thinクライアント

基本的に、Thinクライアントでメールや資料作りなどを行いますが、動作が重いです。例えば、ブラウザでサイトを開くのに10秒以上かかることもざらです。また、個人に割り当てられている保存容量も少ないですし、相乗りしている他ユーザーがメモリを多く使っていると、自分にも影響がでてしまいます。仕事がしづらかったです。

社内資格制度

社内資格を取ることが推奨(半強制化)されています。

資格を取るために、資料作成に多くの労力をかけ、何の役に立つのかわからない筆記試験を勉強して合格し、さらに面接を突破する必要があるそうです。合格するまで毎年受ける必要があります。私は社歴が短かったのでなんとか受検を逃れました。

当然ですが、「社内」資格なので、取得できても社外では何の役にも立ちません。

③手を動かすエンジニアとしてのキャリアアップが望めない

要件定義や設計だけでなく、プログラミングをして手を動かすエンジニアを軽視する場面や空気感を社内で何度も経験しました。

「若手プロパーが手を動かして開発するのは、あくまで優秀なプロジェクトマネージャになるための修行みたいなものであり、本来、プログラミングは単価の安い外注にやらせるもの。」という考えが根付いているのではないかと思います。SIという仕事を考えると、それが間違っているとは言い切れないのかもしれませんが、個人的には下流もやり続けたかったので、ミスマッチでした。

このままこの会社にいても、今後ソフトウェアエンジニアとしての経験やスキルを伸ばすことは難しく、たとえ自学などでそれができたとしても社内で評価されることはないのだろうなという、「ソフトウェアエンジニアとしてのキャリアの閉塞感」を感じました。

また、私は配属ガチャに恵まれて、SIerとしては比較的モダンな技術やツール(Git, Jenkins, Python, Ruby, Ansible, OpenStack, Scrum, JIRA, Confluenceなど)に触れることができました。しかしながら、同期の話を聞いているとそういうケースは稀な様です。もちろん古い技術やツールを否定するつもりは無いですが、個人的には、将来性の高い技術スタックで開発経験を積みたいですし、それを活かせる環境で働きたいと思う様になりました。

④向上心のある人が少ない

社内に向上心のある人が非常に少なかったです。

日々新しい技術やツールが生み出される変革の激しいIT業界において、プライベートの時間での勉強は個人的には必須だと思いますが、驚くべきことに自発的に学習している人はほとんどいません。

私は早起きして作った時間や週末の空いた時間に勉強しているため、やらなかった人と比べるとそれなりの差がついたと思います。

しかし、その努力によって能力の差はでたとしても、同期と給料の差はほとんどでません。入社時は気にならなかった年功序列な給料制度に疑問を感じるようになりました。

⑤経営層への信頼

あまりにも経営層との距離が遠いうえに、彼らの社内外への発信アウトプットが少なく、この人たちの舵取りを信じて進んで良いのかが分かりませんでした。

もちろん、NTT内の厳しい出世競争を勝ち抜く方々なので、頭は良いと思います。ただ、もともとは電話関係の仕事をされてきたので、やはりIT業界とは縁遠いというか、うーん。。。

個人的には、コーディングできる必要まではないと思いますが、少なくともシステム開発にある程度の理解のある人が経営層にいる会社で働きたいと考えるようになりました。

 

申し訳ないこと

退職時に担当させていただいていたお客様には申し訳なかったです。転職活動をしている最中での担当プロジェクト変更だったので、(もちろん転職活動中ですなんて言えない)色々なオンボーディングをしていただいた後すぐの退職になってしまいました。すいません。

 

結局、入社してよかったのか

いろいろと退職理由のところでネガティブな部分も書きましたが、優良企業の1つだったと思います。

 

大企業としての多くのノウハウが溜まっています。

社員は真面目な性格の人が多く、高学歴な人も多く、地頭がいい感じです。仕事に対して真剣な人が多いです。

私は若手だったので給料は低かったですが、働き続ければそれなりに良い給料をもらえます。課長クラスになれば年収1000万円の大台にのりますし、なれなくても残業によりますが、年収800万円程度は普通にいきます。(今の若い人が十年後も同じような待遇になれるかは不明)

残業規制や年休管理は厳しく、いわゆる「ワークライフバランス」を保ちやすいです。海外旅行とかも結構いけました!

会社の業績も安定しており、少なくとも短いスパンで急激に落ちることはないでしょう。

 

ただし、「会社が安定している=自分の人生も安定している」でないということは、肝に命じておくべきです。また、組合が良くも悪くも強いので、大幅リストラという可能性は他のJTC(Japanese Traditional Company)に比べて低いものの、今後は誰にも分かりません。歳をとって会社から追い出された時に、外で役立つスキルや経験が揃っているかを想像した時に、やはり自分にはリスクが大きいと感じました。

優良企業ではありましたが、個人的に私に合わないところが多かったです。また、そもそも一社に一生働き続けるという思考が私にはあまりありませんでした。

 

次はどこで働くの?

ZOZOテクノロジーズという会社に転職しました。NTTといいZOZOといい、よくSNS上で燃える会社に行く傾向に私はあるようです。

モダンな開発環境ですし、私服出社OKですし、年収も150万円以上あがります。 

やったね!!